もう2カ月にわたって、ブログを更新していなかった。書き込みの手順もすっかり忘れてしまい、恥を忍んで担当者にメールして聞いてしまった。
この間に、サッカーのW杯はイタリア優勝で閉幕し、決勝戦でのジダンの頭突きは世界中で物議をかもした。イタリアのサッカー界で起きたユベントスなど名門チームの買収疑惑は依然、影を投げかけ、日本ではすでにオシム新体制がスタートした。
目を野球に移すと、ソフトバンクの王貞治監督が胃の異変を告白して入院、胃がんによる胃の全摘手術をうけ、8月2日に退院した。その間、ソフトバンクは頑張り、パのペナントレースを西武と争っている。しかし、気にしていた巨人のジリ貧ぶりは目を覆うばかりで、テレビも中継をためらうようになっていた。
そして、陸上100メートルの王者ガトリンのドーピングが発覚するなど、わずかな間にスポーツ界はとんでもないことが起きた。
スポーツ界の周縁にいるものとしては、書かなければならないことばかりだ。それなのに、ブログからずっと離れていたのは、ひとえに僕の性格による。ようは怠け者なのである。なにしろ、子供のときから日記をつけようと決意しても3日ともたない。夏休みの宿題は、最後の1日か2日で仕上げるというダメガキだった。
だから、このブログも正直いって復活できるかどうか、自信はなかった。
それが、勃然と書かなければと思ったのは、いうまでもない、ボクシングのWBA(世界ボクシング協会)ライトフライ級タイトルマッチの不可解な判定が原因だ。
あれはない。亀田興毅の勝ちは、あってはならない判定だった。
1回、ベネズエラのファン・ランダエダの右フックを食らってダウン。その後は一進一退だったが、有効打で勝ったのは亀田ではなくランダエダだ。亀田は左のアッパーで何度もアゴを跳ね上げられた。
頭を両手でガードし、クワガタムシのように突進した亀田は、体格差を生かしてランダエダをロープ際に追い込むが、どれほど有効打があっただろう。そして、ランダエダの攻撃にクリンチに逃げ、あまつさえ、最終ラウンドは足がふらついていた。
なのに、なぜ、判定勝ちなのか。
あれは亀田の負け、贔屓目にみても引き分けすら難しい内容ではなかったか。
思わず、怒りがこみあげた。
ホームタウン・デシジョン(地元判定)はボクシングの倣いだが、これほど露骨にあってはならない。とりわけ、亀田興毅の試合だからこそ、あってはならなかった。
ボクシングはかつて、人々の関心を集めた競技だった。とりわけ、KOの魅力は男たちを酔わせ、だからこそ、多くの作家がこの競技を作品に取り上げてもいた。
しかし、いつしかボクシングは人々の信頼を失っていく。すべては不可思議な判定が原因だったことを、僕の年代はよく覚えている。
スター性をもった亀田兄弟の登場は、久しぶりにそんなボクシング界に幸運をもたらしそうな気配があった。彼らの快進撃とともに人気も復活するかもしれなかった。それはもちろん、その昔にあった露骨な作為をなくしたところに存在する必要があった。
ところが、どうだ。
あってはならない判定が、あろうことか亀田の試合で現れた。
「亀田は12ラウンド、立っていれば‥」
そんな噂話が流れていたと聞いた。
なぜ、ボクシングはこうなんだ。僕の周囲では「やっぱりな、ボクシングは、な」という声が聞こえている。
この勝利と引き換えに、ボクシング界はとてつもなく大きなものを失った。


by janchan
勃然とした怒り